官民の売買は民民の10倍?

地価調査の鑑定書も提出し、本来の業務に専念できるようになりました。
この地価調査で使用する取引事例は基本的には民間人同士のいわゆる民民の売買事例を使います。

まずは何かの理由で売りに出ます。
一定の市場での滞留期間を経て、買主が現れ売買が成立します。
この買主の行動は、出来るだけ安く買いたいという経済行動を基本としています。

そのためには同じ金で買えるなら、より広くより便利な不動産を探します。
即ち代替競争関係にある不動産から、買主に最も条件に見合うものを買います。
そうやって行われる売買事例を私たち鑑定士は事例として採用するのです。


しかしながら、今私が請けている鑑定は公共団体等が、何かの目的で不動産を買収する際の価格を出そうとしています。

ところがその鑑定評価の対象不動産は、林地だったり農地(農業振興地域内の農用地区域)だったりします。
先方の買収予定価格を参考に聞きますが、それがびっくりするような価格です。
民間人同士が取引する価格のざっと10倍です。

これは売りたくない地主から無理やり何かの事業の為にその土地を買収しなけれならない場合、民民での価格を提示してもまずは売ってくれません。相当高い価格を提示しないと売ってもらえないのです。
売買での「ちから関係」が生まれているのだと思います。
逆に買いたくないのに買わされる場合は相当安くしないと買ってもらえないのと同じことです。

ですから、鑑定士が普通使う取引事例からでは到底依頼人が考えるような価格は出ません。
このような場合は、依頼者が買収した事例を使ってくれと言われます。
その事例を使うことによって依頼者が思っているような価格が説明できるようになります。

何か釈然としないものがありますが、ベトナムのホーチミンの有名なベンタイン市場での売り方に共通しているものがあるようにも思います。
即ち、ベンタイン市場の売り子のお姉さんは私たち外国人に法外な値段を最初は吹っかけてきます。
要らないと言ったら、値段を下げてきます。
いくらまで下がったら買うと言ったら、少しは下げてきますが、それなら要らないと言ったら、私がここまで下げたのだからあなたの方も少しは譲れと言ってくるのです。
強引です。市場内は冷房が無いので暑いのとやり取りに疲れてしぶしぶ買ってしまうということで落着となります。
しかし結局買わなかったら、後ろから日本語で罵詈雑言が飛んできます。

脱線しましたが、経済界での物の価格は買主と売主との力関係でどのようにでもなるという結論になりますが、鑑定評価をするものは其の辺りのからくりを理解して、説明できるものを持っていなければなりません。


posted by 丹田 at 10:04 | 兵庫 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ▼ home
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